「保育園や幼稚園って、毎日通わないといけないのでは?」と思っているママパパは少なくありません。実は、家庭の事情でお休みしても大丈夫です。今回は、保育園や幼稚園をお休みする理由や園への連絡の仕方を、現役保育士が解説します。

保育園・幼稚園は休んでもよい?


保育園への連絡
保育園や幼稚園は、体調不良以外の理由で欠席しても問題ありません。お休みする日はママパパが決めてよいのです。
保育園に勤めていると「お休みしてもいいですか?」と問われたり、「休んではいけないと思っていました」と言われたりすることがあります。きっと小学校や中学校などの感覚で「休んではいけない」と思ってしまっているのでしょう。
保育園・幼稚園は義務教育ではない上に、一日休むとついていけなくなるような活動はしていません。事前に連絡さえしていれば、どのような理由でもお休みして大丈夫です。

保育園・幼稚園を休む理由と説明の仕方


保育園や幼稚園は、家庭の事情でお休みしても問題ありませんが、欠席の理由は正確に伝えるようにしましょう。ここからは、園をお休みする理由としてよく挙げられるものをご紹介します。あわせて、園への伝え方も紹介しますので参考にしてくださいね。

【お休みの理由1】子どもの体調不良


子どもの具合が悪いときは、園をお休みしましょう。しかし、どの程度の症状であれば休んだ方がよいのか迷う方も多いようです。子どもの体調は急激に変化しやすいものです。以下のような症状が見られるときは、お休みして自宅で様子を見ることをおすすめします。

【症状】
☑ 熱(37.5 ℃以上)
☑ 嘔吐や下痢
☑ 食欲がない
☑ 元気がない
☑ 見慣れない発疹
☑ 夜眠れないほどの咳・鼻水


休む際は、園にできるだけ正確な症状を伝えます。受診して病名がわかったら、再度連絡を入れましょう。連絡をもらえると、集団生活で感染を最小限に食い止めるための対応につながります。

【お休みの理由2】家族の体調不良


親やきょうだいなど同居する家族が体調不良の場合は、保育園や幼稚園をお休みすることをおすすめします。同居する家族は同じ病気に感染する可能性が高く、症状が出ていなくても感染している場合があるからです。
乳幼児が集団生活を送る園では、感染症が広まるのはあっという間です。抵抗力の弱い子は重症化するリスクもあるため、できる限り感染拡大を防ぐ行動を選んでいきたいですね。
家族が体調不良で園を休む場合は、体調不良者の病名や症状を伝え、園児の様子も同時に伝えます。園児が元気でも、症状が出始めたらその時点で再び園に連絡を入れることも忘れずに行いましょう。

【お休みの理由3】保護者の平日休み


お出かけ
仕事によっては、平日にお休みのママパパもいます。「平日だから園をお休みさせない方がいいのかな」と思う方もいるようですが、親が休みの時は子どもも一緒に休んで問題ありません。
仕事がある日は時間に追われてしまうと思うので、休みの日こそゆったりと子どもとの時間を楽しんでほしいと思います。休む場合は「今日は仕事が休みなので、子どももお休みします」と伝えましょう。

【お休みの理由4】冠婚葬祭


法事や告別式、地域のお祭り、お祝い事などでお休みする子もいます。園での活動以外のさまざまな経験は子どもの感性を刺激し、学ぶことも多いと考えられます。
場合によっては大人だけで参加した方がよいこともあります。状況に応じて、子どもを連れて行くのか、それとも園に預けるのか、決めるとよいですね。
園を休むときは「今日は○○に参加するため、お休みします」と伝えます。もし親だけが参加して、子どもを園へ預ける際は、保護者が冠婚葬祭に参加している旨を伝えておきましょう。

【お休みの理由5】子どもの誕生日などのイベント


誕生日
子どもの誕生日に休みをとってお祝いをする家族も少なくありません。旅行に行ったり、自宅でパーティをしたりして、思い出に残る時間を過ごそうと計画しているご家庭もあるでしょう。
誕生日は親にとっても、子どもにとっても、特別な日です。園を休むことは問題ないので、ゆっくりと家族の時間を楽しんでほしいと思います。
園には「お誕生日なのでお休みします」と伝えれば大丈夫です。

【お休みの理由6】天候が悪いとき


最近では災害をもたらすような異常気象が多発しています。警報が出た場合には、休園になったり、途中でお迎えをお願いしたりするような事態も発生します。
台風や大雪など、天候が悪いときに無理して登園する必要はありません。もし仕事を休むことができるのなら、自宅で過ごせれば子どもも安心でしょう。
園としても、避難するような事態になったときのことを考えると、可能な限り子どもの人数は少ない方が対策をとりやすいです。休みがとれるようであれば、園には「天候が悪いので、お休みします」と伝えましょう。

【お休みの理由7】子どもが登園を渋るとき


子どもが「今日は行きたくない」と登園を渋るとき、都合がつくようならお休みしてもよいでしょう。体調を崩す前触れの可能性もあるし、ママパパと過ごしたくて泣いている場合もあります。
未就学児はまだ親に甘えたい時期です。親子でゆっくり過ごす時間を持つことで、次の日は元気に登園できる場合も多いものです。
「今日は行きたくないみたいなので、おうちで様子を見ます」と園に伝えておけば、後日園でも子どもの様子を気をつけて見てくれることでしょう。

保育園・幼稚園を休むときの連絡方法


保育園や幼稚園を欠席する際の連絡方法は、園によって異なります。連絡方法は入園時に伝えられているはずですが、不明な場合は園に確認しましょう。
ここからは、一般的な欠席の連絡方法について解説します。

●アプリやメールで伝える


登園している子どもに人手をかけられるよう、欠席連絡はメールやアプリなどICTを活用している園も増えてきています。出席人数の確認をするために「○時までに連絡」というルールを設けている場合は、決められた時間までに必ず連絡するようにしましょう。

●連絡帳で伝える


「連絡帳」を活用している園も多いです。事前に予定が決まっている場合は「旅行に行くため、来週いっぱい休みます」「仕事が休みなので、○月○日はお休みします」など、連絡帳に書いて知らせる方法もあります。

●電話で伝える


以前から一般的に使われてきたのは「電話」です。今でも連絡手段として「電話」を使用している園も多いでしょう。朝は子どもの受け入れと同時に、欠席連絡の電話も相次ぐため、保育士は対応に追われています。なので、必要な情報を手短に伝えましょう。
園で伝え方のルールがあるときはそれに沿ってください。特に決まりがないときは、クラス→名前→理由の順で伝えましょう。

【伝え方の例】
「うさぎ組○○○の母(父)です。昨日から熱があるので、今日はお休みします」


職員に詳細を聞かれることもあるので、その場合は端的に答えるようにしましょう。

保育園・幼稚園を休むときにやってはいけないこと


保育園・幼稚園では、ルールに従って欠席連絡をすることが大切です。園ではたくさんの園児がいる中で、誤りなく情報を管理する必要があるからです。ここからは、保育園や幼稚園を休むときに控えてほしい行動について解説します。

【NG行動1】連絡をせずに無断でお休みする


園に連絡をせずにお休みすることはやめましょう。連絡がない場合、安否確認のため園から連絡をする必要が出てきます。保育の現場を抜けて連絡する場合、登園している子どもたちの保育が手薄になってしまいます。お休みするときは、必ず決められた時間までに連絡を入れるようにしましょう。

【NG行動2】休む理由を偽ってお休みする


休む理由は正確に伝えましょう。特に感染症の場合「知られたくない」と思う方もいるようですが、園にとっては重要な情報になるため「知らせてほしい」と考えています。
集団生活における感染症は、消毒など早期対応が重要になります。家庭では「大したことない」と感じることでも、集団生活では重大なこともあるので、休みの理由は偽らず、状況を正しく説明しましょう。

【NG行動3】長期の休みを直前に伝える


産休や旅行などで園を長期間お休みするときは、予定が分かった時点で園に伝えておきましょう。直前だと、給食の数や行事の人数などの調整が難しく、対応に困る場合が出てきます。
「うちの子一人分くらい問題ないかな」と思う人が複数いれば、「一人分」ではなくなってしまいます。事前にわかっているお休みは早めに伝えてもらえることで、園も事前に把握し、余裕を持って調整することが可能になります。

保育園・幼稚園で登園しない子がいた時の対応


保育士との電話
著者が勤める保育園では、子どもの出欠を以下のような方法で確かめています。

① 登園した子から名簿にチェックを入れる
② 朝の集まりで子どもの点呼をとる
③ ICTを活用して、登園の打刻がされていない子を確認する
④ 朝の職員ミーティングで、事務員や他の保育士が連絡を受けていないか確認する


上記の確認をした上で連絡なく欠席している家庭には、園から電話連絡を入れています。ほとんどの場合「連絡を忘れていた」と返ってきます。
連絡なく休むことが続くと、「今回もまた忘れているのかな」と思ってしまいます。しかし、園側が休んでいると思い込み「欠席」扱いになることで、車内での置き去りなど命が危険にさらされてしまうケースなどを考えると、思い込みを捨てて確認することが重要だと感じています。
事故を防ぐために、保護者と園が必ず連絡を取り合うようにしましょう。

また、普段とは異なる人に送迎をお願いした場合、家庭では以下のような対策を行うように心掛けてください。
☑ 送迎終了時に連絡をしてもらう
☑ ICTを活用している園では「登園」になっているかスマホアプリで確認する
☑ 園に確認の電話を入れて、登園しているか確認する

大切な子どもの命を守るために、保護者と園がお互いに意識して対策をとっていきたいですね。

保育園・幼稚園をお休みするときは連絡を


保育園や幼稚園をお休みするときは、所定の方法で、決められた時間までに連絡をしましょう。連絡を入れることは、園にとってメリットがあるだけでなく、子どもが後日登園したときに適切なケアを受けるためにも必要です。
また事故は思いもかけないときに起こるものです。欠席の連絡を入れる習慣をつけて、かけがえのない子どもの命を守りましょう。

親の体調不良で保育園・幼稚園を欠席する場合もあります。親の体調が良くないのに、子どものお世話をするのは大変なことです。
そのようなときは、病児サポートが可能なベビーシッターに依頼できるよう体制を整えておけば安心です。子育ては親だけではできませんし、預け先が保育園や幼稚園だけでは足りないことがあります。いざというときの第二の預け先を見つけておき、子育てのセーフティネットを確保しておきましょう。

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■保育士ライター 佐野希子
18年目の現役保育士。独学で認定試験に合格し、幼稚園教諭の資格も取得。他に社会福祉士の資格も保有。現在は副主任として保育現場の指導とサポートに努めている。


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