指しゃぶりは、多くの子どもが成長過程の中で経験する行動です。この記事では指しゃぶりの気になる影響や対応の仕方を交えながら、指しゃぶりをいつまでしていてもOKなのかについて保健師の視点でお伝えします。

子どもはいつまで指しゃぶりをしている?


指しゃぶり
多くの子どもが成長の過程で経験する指しゃぶりですが、どのくらいの時期にすることが多いのでしょうか。また、いつまで指しゃぶりすることがあるのでしょうか。
指しゃぶりをよくする時期やその期間ついて、子どもの発達と合わせて説明します。

大半の赤ちゃんが指しゃぶりを経験する


赤ちゃんが口に入ったものを吸うのは「哺乳反射」と言われる原始的な反射です。この反射は、赤ちゃんが生きていくために必要なもので、大体生後4ヶ月頃まで続きます。
哺乳反射がなくなった後も、赤ちゃんは口に手やものを入れて感覚を確かめたり、手指を動かして口元に持っていきます。この時期の赤ちゃんにとって、指しゃぶりは遊びの一つで、大半の赤ちゃんが指しゃぶりをしています。赤ちゃん時期の指しゃぶりはよくあることで、特に心配する必要はありません。

指しゃぶりは成長に伴って自然と減っていく


1歳半を過ぎるころになると子どもの離乳が進み、おっぱいやミルクを卒業して「吸う」よりも「噛んで食べる」ことが多くなります。また、いろいろなことに関心を持ち、おもちゃを使って遊ぶなど、指を口元に持っていくことが少なくなっていきます。
一般的には、こうした成長に伴って自然と指しゃぶりへの意識が薄れ、頻度が減っていきます。ですが、幼児期に入っても指しゃぶりが続くこともあり、なかには小学生以降も指しゃぶりをしている子どももいます。

生まれた時に吸いだこのある赤ちゃん
筆者が産科病棟に勤務していた時の話です。生まれたばかりの赤ちゃんの指に、吸いだこを発見したことがあります。赤ちゃんは、お母さんのおなかの中でも指しゃぶりをして、おっぱいやミルクを飲む練習をしているんです。そのくらい指しゃぶりは本能的な行動なのです。


子どもが指しゃぶりをする原因


子どもが指しゃぶりをする原因は、さまざまです。赤ちゃん時期の指しゃぶりは、先に説明したように反射的であったり、遊びの一つです。
それ以降の時期の指しゃぶりの原因には、このようなものがあげられます。

【1】くせになっている
【2】歯がかゆい
【3】気持ちを落ち着かせる方法になっている


一つ一つ説明していきます。

【原因1】指しゃぶりがくせになっている


「くせになっている」というのは、1歳〜2歳頃の子どもに多い指しゃぶりの原因です。赤ちゃん時代に比べて頻度は減っているものの、退屈なときや眠たいときに無意識に指しゃぶりをしているというパターンが多いです。これは、成長に伴って自然と減っていくでしょう。

【原因2】歯がかゆい


子どもによっては乳歯が生える過程で、口の中に違和感を感じて、指しゃぶりをしたり口に手を入れることがあります。多くは、一時的なものなので心配はいりません。

【原因3】気持ちを落ち着かせる手段になっている


指しゃぶりをすることで安心感を感じたり、心の支えにしている場合があります。
断乳や卒乳をした後など、口寂しいときにすることもあります。また、入園やきょうだいが増えるなど環境の変化があったときにみられることがあります。子どもは、指しゃぶりをすることで不安や緊張、ストレスに対処していると言えるかもしれません。

指しゃぶりにはデメリットもある


かみ合わせ
ときには吸いだこができるほど強い力が加わる指しゃぶり。そんな指しゃぶりには、次に紹介するようなデメリットがあると言われています。これらのデメリットは、必ず全ての子どもに起こるわけではありませんが、起こる可能性があることとして知っておきましょう。

指しゃぶりの影響で起こる可能性があること



☑ 歯ならびが悪くなる
☑ かみ合わせが悪くなる
☑ ことばの発音に影響する
☑ 顔立ちに影響する
☑ 精神的に依存する



歯科的な面のデメリットが大きい


よく指摘されるデメリットとして、歯ならびやかみ合わせへの影響があります。指しゃぶりは、歯だけでなく、あごの位置や舌の位置にも影響します。歯ならびやかみ合わせが悪くなるということは、見た目の問題だけではなく、口の機能にも影響します。発音が不明瞭になったり、虫歯ができやすくなるといったことにもつながります。

指しゃぶりはいつまでOK?止めさせたい年齢


子どもの年齢が小さいときの指しゃぶりは自然と減っていくことが多く、無理に止めさせるのではなく温かく見守っていきましょう。しかし、指しゃぶりをしている期間が長く続く場合には先に説明したようなデメリットがあり、止めさせるために促していく必要があります。

積極的に指しゃぶりを止めさせたい年齢は?


日本小児歯科学会は、「4歳以降も頻繁な指しゃぶりが続く場合は小児科医、小児歯科医および臨床心理士の連携による積極的対応が必要」と述べています。
3歳頃には乳歯が生えそろい、指しゃぶりによる歯科的な影響が大きくなることから、指しゃぶりを止めるための積極的な手伝いが必要になってきます。
指しゃぶりを止めさせようと働きかけても、すぐに止められるわけではありません。そのため、3歳を過ぎても日常的に指しゃぶりをしている場合には、止めていけるようにサポートを始めることをおすすめします。

日本小児歯科学会「こどもたちの口と歯の質問箱」

指しゃぶりを止めさせるにあたっての注意点


3歳を目安に指しゃぶりを止めるように促していくとよいですが、3歳台はちょうど幼稚園などの入園時期と重なり、きょうだいが生まれるなど、子どもにとって環境の変化が起こりやすい時期でもあります。環境の変化によって子どもの不安が高まり、治まりかけていた指しゃぶりが復活するということは珍しくありません。
環境の変化が大きい時期は、積極的に指しゃぶりを止めさせようと働きかけず、見守ったほうがよいでしょう。

指しゃぶりの止めさせ方は?無理やりは禁物


指しゃぶりを止めさせたいと思っても、どうやったらいいかわからない…というママパパも多いのではないでしょうか。無理やりなやり方だと余計に指しゃぶりがひどくなることもあります。保健師である筆者が、無理のない指しゃぶりの止めさせ方について説明します。

【方法1】子ども自身に気付きを促す


多くの子どもは無意識に指しゃぶりをしています。強い口調で叱ったり、苦いものを塗るなどといった方法は、子どもに不安を与え、別の問題行動を起こすこともあり、おすすめできません。
子どもに指しゃぶりをしていることに気付かせ、「指しゃぶりを止めようね」と繰り返し伝えることが対応の基本になります。
また、その際には「体のなかにばい菌が入るから」など、子どもが理解できるように理由を伝えましょう。そうすることで、子ども自身が指しゃぶりを止めようと思うことにつながります。

【方法2】健診の機会を活用する


健診の機会を利用したり、歯科受診して相談するのも一つの方法です。3歳児健康診査では、小児科医や歯科医師の診察のほか、歯科衛生士や保健師の相談を受けることができます。
特に、歯科で現在の歯ならびやかみ合わせを診てもらい、指しゃぶりの影響が出ていないか確認することは、ママパパの安心につながります。
また、第三者から指しゃぶりについて子どもに止めるように伝えてもらうことが、指しゃぶりを止めるきっかけになることもあります。

【方法3】指しゃぶりの時間を減らす時間を増やす


指しゃぶりの原因はさまざまですが、退屈なときに指しゃぶりをすることが習慣になっているということが多くあります。
外遊びなど子どもの好きな遊びでエネルギーを発散させたり、手指を使う遊びで物理的に指しゃぶりをできないようにすることは、指しゃぶりの時間を減らすことにつながります。
また不安や緊張を和らげるために指しゃぶりをしている場合には、スキンシップの機会を増やしたり、ゆっくり子どもと話したり、かかわって遊ぶ時間をとることも指しゃぶりを止めさせることにつながります。
とはいっても、幼稚園や保育所に入園していない子どもの場合、ママパパに求められる役割は大きく、負担に感じることもあるかもしれません。
そんな時は、ベビーシッターに依頼してみるのも一つの方法です。遊んでエネルギーを発散させることを保育のプロに任せることで、ママパパは余裕をもって子どもにかかわることができるでしょう。

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指しゃぶりはそのうち治まる!落ち着いて対応を


指しゃぶりを辞めさせる
習慣になっている行動を止めるのは簡単ではなく、子どもの指しゃぶりを止めさせるのは根気がいることです。年齢が上がるにつれて子どもの理解力も身についてくるため、いろいろな方法で指しゃぶりを止めさせるアプローチができます。「指しゃぶりはそのうち治まる」とどっしり構えて、落ち着いて対応しましょう。
なかなか指しゃぶりが止められない場合にも、定期的に歯科検診を受けるなどして、口のなかの状態をチェックしておくことが大切です。その上で、指しゃぶりを止める方法やきっかけを探していきましょう。
誕生日や行事などをきっかけに、指しゃぶりを止めようと決意する子どももいます。あまり神経質になりすぎず、長い目で見守っていけるとよいですね。

キッズラインには、家庭保育のプロが在籍


ベビーシッター・家事代行サービスを運営するキッズラインでは、ベビーシッターとして、保育士や看護師など保育の専門資格や研修を完了した家庭保育のプロフェッショナルが多数在籍しています。
初めてのシッターに保育を依頼する際には、顔合わせまたは事前面談が必要なので、まずはよさそうな人に連絡を取ってみましょう。指しゃぶりが気になるなど育児の悩みを話してみて、ベビーシッターそれぞれの保育への姿勢を聞いてみるのがおすすめです。

■監修ライター 辻 奈由香
フリーランスの保健師・助産師。周産期センターで助産師として勤務した経験から、地域で生活する母子を支援する保健師に関心を持つ。その後12年間、自治体で保健師として勤務し、乳幼児家庭を対象とした家庭訪問や乳幼児健診など母子保健事業を中心に従事。現在は小学生の子どもを育てながら、ライターの他、看護職の資格を活かして活動中。


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